あーもう。頭悪い。ほんと頭悪い。もう知らないぞ。私が悪いんじゃないぞ。
肩に置かれた手を掴み、自慢の怪力で握りしめる。いや、握り潰そうとしていると言った方がいいか。
「え、な、いだっ!いだだだだたっ!!やめ!!」
「こっちはイライラMAXなのに、まだ話したいことあるのか。そうか」
これはもう殺らないと気が済まない。
「いだだ!!!!!ごめんなさい!!いだい!!」
パッ、と骨が折れる前に掴んでいた手を離す。
「え、どうした!?」
他の男は、あまりの痛がりように驚くばかり。
「ねぇ、私急いでるんだよね。さっきから人違いだっつってんのに。それを邪魔するんだから、ね?覚悟できてるんでしょ?」
「ヒッ」
もう気づくだろう。ここまで感情を表に出したんだから。
さて、どう苦しめてやろうか。
そう思った時だった。
ブロロロ…
おっと?これは聞きなれたバイクの音。
「律じゃねぇか」
「陽ちゃん」
如月さん、ご登場です。
帰り道は一緒だからね。会うだろうな、と思ってたからあわよくば捕まえてバイクに乗っけてもらおうとふんでいたのだ。
「何してんだ」
「絡まれた。乗せて」
「いやそれはいいけどよ」
やはり、持つべきものは陽ちゃんかもしれない。
「え?如月じゃね?」
「いや…嘘だろ…?」
「お前っ、本物だよ!」
あぁ、まだいたの。
グリンッと男たちに顔を向けると、顔からサァッと血の気がひいていくのが分かった。
「で?」
そう聞くと、「いやいやいや!!何も!!すいません!!」とれそうになるぐらい首を横に振る3人。
さすが陽ちゃん。どんだけ知れ渡ってるんだろう。彼らの名前は。この人たち他校なのに。
完全にビビり倒してる3人は、さすがにもう私の邪魔はしないだろう。が、イライラは簡単には収まらないものだ。
二次災害があるかもしれないからな、と思い陽ちゃんのバイクに跨る。
「これでもくらえ」
シュッ
餞別だ、とでも言うように吹いたのは、そう、唐辛子スプレー。
「お前また変なもの作って…」
と呆れ声の陽ちゃんだが、丁度よく被検体がいたのだからしょうがない。
「でもそんなに効果ないかもし…」
「ぎゃぁぁぁあああああ!!!!」
「陽ちゃん!出発!!!!」
効果は絶大だったみたい☆
