狂気のお姫様



いや、うん。さすがに私もビックリしたから今のは。いつもこの人たち、狙ってきてるんじゃないかと思う本当に。


「今佐々木さんの相手してる余裕ない」

「本人に言ってやれよ」

「殺される」


ボソボソと悪態をつく小田。なんだか今日は不憫だ。


「良かった。帰ってたらどうしようかと」

「なんですか…」

「テストどうだった?」

「聞かないであげてください」

「小田ちゃん死んでるじゃんウケる」


『テスト』という言葉を聞いた瞬間にズーン、と曇天が小田を覆う。

こんなに落ち込んでいる小田もなかなかだ。面白い。


「大丈夫でしょ。0点はないでしょ?」

「あ、傷口に塩…」


さらに顔色が暗くなる小田。面白い。


「まぁー、うん。小田ちゃん。そんなこともあるよ!」

フォロー下手か。


「それで、どうしたんですか」

まさかそれだけではないだろう、と話を変える。


「あ、そうそう。今日暇でしょ?」

「?」


これは、『暇じゃないです』と言った方がいい気がするのは私だけか。すごく嫌な予感がするのだが。


「東堂は暇ですよ」

おいこら。



「4人でどこか寄ってかない?」



わお、地獄の誘いだ。

そして小田の言葉をサラッと受け流すあたり、なんてこの男は自由気ままなのだ。


いや待てよ。4人?あと1人誰だ?

「蓮ちゃんも誘ってるんだけど」


絶対に嫌だ。


「…」

「めっちゃ嫌そうな顔してない?」

「いやー、有名なお2人と放課後寄り道なんてー、そりゃもー」

「めっちゃ棒読み」


もう一度言うが、絶対嫌だ。

いやこの人たちが嫌いとかそういうわけではないが、わざわざこんな目立つ人たちと寄り道する理由はない。

「なんでよー。いいじゃんもう。開き直ろ」

「それとこれとは話が別な気が」

「えー」

「ていうか私、東堂に脅されて仲良くしてる設定なので、天の方たちと関わるとちょっと…」

「おいクソ女」

「ぶほっ!小田ちゃんそれやばい!!」


あんたも笑ってんじゃないよ。