「あんたは俺のスマホ壊してくれたからね」
「うっ」
切れ長の三白眼がこっちを見る。
一体この人はいつまで根に持つ気なんだろうか。
「えーっと、その藤くんってどんな人なんですか?」
必死に話題をそらそうとして、思いついたのがこれ。
悪くない話題変換だと思ったんだけど…。
「話題そらそうとしてんのバレバレ」
糸瀬くんには見抜かれてしまったみたいだ。
「あー藤?鈴音ちゃんと同じ学年だよ。さぼり癖あるけど悪い奴じゃない」
そんな糸瀬くんとは対照的に瀬野先輩は見た目通りよくしゃべる。
同じ学年に藤くんなんて人いたっけ?
私は人の顔と名前を覚えるのが苦手、藤くんのことも見たらわかるかもしれない。
記憶をたどっていると、はぁと小さくため息をついて糸瀬くんが口を開いた。
「あんた、何しに来たの?」
「仕事だけど」
自分でそう言って我に返る。
雑談ばっかで私全然仕事してないじゃん!


