そして俺が出発する日になった。



空港に一緒に来た穂風。



もうすでに目が潤んでる。



「向こう着いたら何時?」

「朝8時だな」

「じゃあ日本時間だと夜中の3時か…」

「そうだな。着いたらメッセージは入れるけど寝てろよ?」

「起きてるもん」

「いいから寝てなさい」



まずはハワイでリアムと合流する。



しばらくハワイで撮影を続けて、それから世界各地を飛び回る予定だ。



「じゃあ…そろそろ行くな」

「うん…気を付けて」



穂風が俺にぎゅうっと抱き着いた。



俺も強く抱きしめ返す。



会えない時間の分も、強く、強く…。



しばらく長い時間お互い抱きしめ合っていた。



それからゆっくりと体を離して、穂風の頭をぐしゃぐしゃに撫でる。



一瞬キスしてから「じゃあな」と穂風から離れて搭乗ロビーに向かった。



穂風が泣きながら俺に手を振り続ける。



俺も、姿が見えなくなるまで手を振り続けた。



飛行機に乗り込んで窓の外から景色を眺める。



日本に戻るのも次は何か月後になるか…。



そして飛行機が現地に着くまで眠っていた。



目が覚めるとハワイ。



朝だ…。



何時間も機内で寝ていたから体中が痛い。



飛行機を降りて到着出口に出るとリアムが待っていた。



「Welcome」



リアムが俺に言って軽くハグした。



「(長時間おつかれ)」

「(ありがとうございます…)」



それから穂風に『着いた』とメッセージを送る。