明るくてすごい良い人…。



それに夏葉に似てる。



「穂風ちゃんが運転してきたの?」



絵奈さんがそう言ったとき、夏葉が車から降りてきた。



絵奈さんが夏葉の方を見る。



「えっ、あんたどうしたのその腕…」

「折った」

「まじ? 大変じゃん」



絵奈さんはそれだけ言って、家のドアを開けて「お母さーん? 来たよ、夏葉たち!」と大きな声で言った。



めまぐるしい…。



2人で家にお邪魔した。



「いらっしゃーい!」



元気な声がして、絵奈さんにそっくりな人が玄関に来た。



夏葉の…ママだ!



夏葉を産んだ人!?



あたしは慌ててお辞儀。



「はじめまして! 岩崎穂風です! 夏葉さんにお世話になってます!」



あたしがそう言うと、お母さんが元気よく笑った。



「こちらこそうちの息子がお世話になって! 夏葉ってあんま感情出さないから付き合いづらいでしょ」

「そんなことないですよ!」

「アハハ、ありがとね。ていうか夏葉、あんたどうしたのその腕」



お母さんが夏葉に視線を送った。



「折ったんだって」



絵奈さんが代わりに答える。



「あそうなの。まあいいわ、入ってー」



お母さんが家の中に入れてくれる。



絵奈さんもお母さんもあんまり夏葉の腕のことには関心がないみたいだ。



たくましいね…。



「あ、ほら夏葉。これ、お父さんから」

「あー。サンキュ」



絵奈さんが夏葉に封筒を渡す。



お金預かったって言ってたっけ。



「あんたもたまにはお父さん会いに行きなよ。さみしがってたよ」

「っつってもなあ…。会っても話すことねえし気まずいんだよ」