Anonymous〜この世界にいない君へ〜

「昨日の爆破事件、太宰も現場にいたんだろ?どんな状況だったのか話を聞こうと思ってな」

「わかりました。お話しします」

紫月は修二に昨日のことを話した。修二は顎に手を当てて真剣に頷く。紫月が話し終えた後、修二が口を開いた。

「つまり、太宰も犯人の姿は見ていないというわけか……」

「はい。爆発をしたところしか……。すみません」

「いや、いいんだ。しかし防犯カメラにも顔が映っていないとなると、容疑者を絞り込むことすら難しそうだな」

修二がそう言うと、「いや、何とかなると思うよ」と真夜がリュックサックにつけられたアニメキャラのキーホルダーを触りながら言う。

「顔がわからなくても、別のもので特定すればいいんだよ」

「どういう意味?」

彰からの問いに真夜ではなくアノニマスが答える。

「人はどれだけ変装をして顔を隠しても、どうしても変えられないものがあるんです。それは歩き方の癖です。その癖は無意識に出てしまうので、その癖が一致する人物を探せばいいんです」