Anonymous〜この世界にいない君へ〜

「太宰刑事。昨日ぶりですね」

「太宰さんって急に呼び出すの好きだよね〜」

真夜が隠すことなく大きなあくびを一つした。そして椅子にドカッと勢いよく腰掛ける。

「コーラちょうだい」

パソコンを机の上に出しながら真夜は蓮の方を見て言った。緑茶を出そうとしていた蓮が「コーラはないです」と申し訳なさそうに返すと、真夜は苛立ったように指でパソコンをトントンと叩く。

「協力者なんだからもっと親切にしてくれたらいいのに」

頰を膨らませた真夜を、翡翠の仮面を被ったアノニマスが「まあまあ」と宥める。そしてその笑みのままアノニマスは「未解決事件捜査課」の人間たちを見ながら訊ねた。

「私たちが呼ばれた理由は、連続爆破事件についてですよね」

「ええそうです。プロファイリングの方はどうでしょうか?」

紀人が緊張した様子でアノニマスに訊ねる。彼女は「ある程度はできていますが……」と言いながら真夜を手で示した。

「先に、昨日の爆破事件が起きた瞬間の防犯カメラ映像を見ませんか?」