Anonymous〜この世界にいない君へ〜

蓮がスレッドをクリックすると、そこには罪を犯して服役した人間の現在の情報がズラリと書き込まれていた。プライバシーなど存在しない。住所、職場、親の所在地まで書き込まれている。

「うわ、家族のことまで特定されちゃうんだ。悪い子なんてできないね」

碧が顔を引き攣らせながら言う。蓮は全員の反応を見た後、捜査一課のこれからの方針を話し出した。

「捜査一課は、これらのスレッドなどから爆弾を送り付けられそうな人間を三人絞りました」

そう言った後、蓮は自身のスマホに捜査一課が絞り込んだ三人の罪を犯した人間の写真を検索する。どの顔も、ニュースで一度は見たことのある顔だった。

坪内高雄(つぼうちたかお)、五十二歳。麻薬の売人。麻薬の売買取引中に警察官に職務質問を受け、麻薬の所持と売買で逮捕された。裁判で実刑判決が下されたものの、二年前に出所済み。

広津平(ひろつたいら)、三十八歳。自身が勤めていた会社のお金を横領していた。その金額は一億近くにのぼる。一年前に出所済み。