Anonymous〜この世界にいない君へ〜

何故、修二が突然こんなことを言い出したのか。まるで映画などで病気を患った主人公などが仲間に今生の別れの際に言い残す言葉のようである。

修二は笑みを浮かべた後、背を向けて歩いて行く。紫月は修二の姿が見えなくなるまで、そこから動くことができなかった。



同時刻 某山中にて

二人の黒い服を来た男が山道を歩いていた。山道と言っても舗装されているわけではなく、獣道をただ進んでいく。男たちの手には大きめの袋があり、懐中電灯の小さな光を頼りに進んでいた。ガサガサと一歩踏み出すたびに音が闇夜に響く。

「……この辺りでいいだろう。誰にもここなら見つからないはずだ」

男の一人がそう言い、荒い息を吐く男の方を向く。そして男の頭を殴った。

「いって!」

「さっさとお前が始末しろ!!こんなこと、俺はしたくなかったんだからな!!」

男が大声で怒鳴る。その声に驚いたのか、闇の中でバサバサと何羽もの鳥が飛び去っていった。もう一人の男は口を尖らせる。