Anonymous〜この世界にいない君へ〜

喧嘩をして家を飛び出した亜美は、何故か夢野泰造が所有する山の中にいた。何故彼女が山に足を運んだのか、それは彼女にしかわからない。しかし、山道を歩いていた彼女は獣と勘違いした快児に発砲され、銃弾が腹部を貫通した。そしてそのまま放置され、命を落としたのだ。

快児が逃げた理由は、人を撃ってしまったことが怖かったからだった。銃を持って山に行ったのは、かっこいいと思ったからである。

事件の全容が報道されると、あまりにも身勝手なことに世間からは非難の声が上がった。ネットでも毎日のように「犯人は死刑にすべき!」といった過激な言葉が飛び交っている。

そんな中、紫月はあるものを持って義夫の元に足を運んだ。彼はテレビで犯人逮捕を知ったそうだが、その顔は変わらず元気がない。

「……銃で亜美は撃たれたんですよね。どれだけ痛かったか……!」

義夫は息を吐き、涙を流す。紫月は義夫の前にあるものを差し出した。それは、亜美のスマートフォンである。