2025年 4月8日 東京都表参道 午前10時半
紫月は緊張を覚えながら指定された待ち合わせ場所にいた。仕事ではなく非番なのだが、紫月はスーツを着ていた。締められたネクタイは、アノニマスからプレゼントされたケーキ柄のものだ。
「ハァ……」
紫月は落ち着きなくその場を行ったり来たり歩き回ってしまう。胸の中にあるのは緊張だ。
(アノニマスとはたくさん話していたが、翡翠さんと話したことは一度もなかったからな……)
アノニマスが演じていた頃から泉翡翠は人気小説家だったが、アノニマスがいなくなった後、発売された小説がドラマ化・映画化されることが増えたことでメディアへの露出が増えたこともあり、「お人形みたいに小さくて可愛い」と言われ、小説だけでなく翡翠自身の人気も高まっている。
(きちんと話せるだろうか……)
紫月が不安を覚えたその時、「あの、太宰さんですか?」と話しかけられる。振り返った紫月は、目を見開いた「アノニマス」と言ってしまいそうになる。すぐに口を噤んだ。
紫月は緊張を覚えながら指定された待ち合わせ場所にいた。仕事ではなく非番なのだが、紫月はスーツを着ていた。締められたネクタイは、アノニマスからプレゼントされたケーキ柄のものだ。
「ハァ……」
紫月は落ち着きなくその場を行ったり来たり歩き回ってしまう。胸の中にあるのは緊張だ。
(アノニマスとはたくさん話していたが、翡翠さんと話したことは一度もなかったからな……)
アノニマスが演じていた頃から泉翡翠は人気小説家だったが、アノニマスがいなくなった後、発売された小説がドラマ化・映画化されることが増えたことでメディアへの露出が増えたこともあり、「お人形みたいに小さくて可愛い」と言われ、小説だけでなく翡翠自身の人気も高まっている。
(きちんと話せるだろうか……)
紫月が不安を覚えたその時、「あの、太宰さんですか?」と話しかけられる。振り返った紫月は、目を見開いた「アノニマス」と言ってしまいそうになる。すぐに口を噤んだ。


