Anonymous〜この世界にいない君へ〜

この三年で紫月たちの日常も大きく変わった。紫月と蓮は捜査一課に戻った。彰と碧は「未解決捜査課」で数々の事件と向き合い、ある一つの事件を解決してメディアで取り上げられていた。

修二と尚美と警察を辞めた。修二は地方に移住して農業を始め、尚美はこっそり書いていた小説が大賞を受賞して小説家になった。

優我はお見合いをして結婚した。妻の尻に敷かれているという噂が流れていて、本人はたまに不機嫌になる。智也は最近猫を飼い始めた。それまでしていなかったSNSに毎日猫の写真をアップしている。

真夜は最近ウィリアムと偶然再会した。そして彼に勧められ、イギリスへ留学中である。幸成は綾音の死から立ち直り、新たな恋をした。そして今は婚約中である。

日常は変わっていく。そして過去は忘れられていく。紫月は拳を握り締めた。アノニマスを忘れてしまうことが怖かったのだ。

その時、紫月のスマホから通知音が響いた。見るとSNSにDMが届いている。その相手を見て紫月は驚いた。それは翡翠だったからだ。

『太宰刑事ですか?もしご迷惑でなければ、一度お会いしたいです』

紫月はすぐに返信を送った。