千秋がポケットから何かを取り出す。それはリモコンだった。そのボタンを千秋は押す。刹那、紫月の耳に聞き覚えのある音がした。そして腕に痛みが走る。腕からは血が流れていた。
「太宰!!」
アノニマスが叫ぶ。紫月は痛みに顔を顰めた。とにかく血を止めようとネクタイを解いて止血をする。気を失ってしまわないよう、笑い声を上げる千秋に話しかけた。
「銃を仕掛けてあったのか。それを遠隔操作できるように細工してあった」
「そうよ。あなたと真っ向からぶつかって勝てる保証はゼロに近いもの。私、か弱い女よ?」
「か弱い女がナイフを振り回せるとは思えないがな……」
息を吐いて顔を顰めた紫月にゆっくりと千秋は近付いてくる。その顔は恍惚としていた。勝利を確信した捕食者の顔だ。
「さようなら、太宰刑事」
千秋がナイフを振り上げる。その動作が紫月にはスローモーションに見えた。足からも腕からも出血をしているこの体は、もうまともに動きそうもない。
「太宰!!」
アノニマスが叫ぶ。紫月は痛みに顔を顰めた。とにかく血を止めようとネクタイを解いて止血をする。気を失ってしまわないよう、笑い声を上げる千秋に話しかけた。
「銃を仕掛けてあったのか。それを遠隔操作できるように細工してあった」
「そうよ。あなたと真っ向からぶつかって勝てる保証はゼロに近いもの。私、か弱い女よ?」
「か弱い女がナイフを振り回せるとは思えないがな……」
息を吐いて顔を顰めた紫月にゆっくりと千秋は近付いてくる。その顔は恍惚としていた。勝利を確信した捕食者の顔だ。
「さようなら、太宰刑事」
千秋がナイフを振り上げる。その動作が紫月にはスローモーションに見えた。足からも腕からも出血をしているこの体は、もうまともに動きそうもない。


