Anonymous〜この世界にいない君へ〜

「おお、怖い怖い。年中お暇なここの方々はどんなお仕事をされているのかと拝見しようと思っただけですが?」

わざとらしい敬語に紫月の苛立ちはさらに募る。何かを言おうと口を開いた蓮を、紫月は素早く「やめろ」と止めた。

「俺たちはこの問題を解かなくちゃならない。この問題を解かないと、アノニマスが命を落とすことになる。だからこいつに構うな」

「太宰さん……」

「何意味わかんねぇことを言ってるんだ!!どんな問題なんだよ!?」

紫月の一言に怒りを顔に滲ませた優我が、紫月の手の中からスマホを取り上げる。そして数十秒問題を眺めた後、「フハッ!」と笑った。

「お前、こんな簡単な問題もわからないのか。それでよく刑事と名乗れる。これはただの引っ掛け問題だろうが」

「引っ掛け?中原、答えがわかったのか?教えろ!!」

紫月は勢いよく立ち上がり、椅子が倒れたことに構わず優我の胸ぐらを掴む。その時だった。尚美が「そういうことね!!」と大きな声を上げた。