Anonymous〜この世界にいない君へ〜

「子どもまで犠牲に……」

アノニマスが口元を手で覆った。焦げた臭いがまだ立ち込めるビルを見て、紫月は拳を握り締める。警察官たちは皆、怒りに満ちていた。

「俺……許せません……!」

蓮が低い声で呟く。その隣で修二が「そうだな。こんな事件、あってはならない」と言った。彼は今にも泣いてしまいそうだった。

「警視庁がマークしていた元犯罪者の二人目が殺害されたということは……」

「あと一人……坪内高雄が残ってる……!」

碧と彰が真剣な顔で話す。紀人がすぐに紫月の方を見て「坪内の保護を頼む!」と言った。真夜がパソコンを取り出し、キーボードを高速で叩いていく。数秒後、彼は「太宰さん!」と顔を上げた。

「住民票調べた!坪内の住所はここ!」

「助かる!」

「太宰さん!俺も一緒に行きます!」

紫月は蓮と共に車に乗り込んだ。エンジンをかけ、車を発進させる。最悪の出来事がまたいつ起こるかわからない。車を走らせてすぐ、助手席に座っていた蓮が「泉先生からプロファイリングの結果が送られてきました!」と声を上げた。