冷徹狼陛下の子を授かりました!

「永遠に会うことはないでしょう」

 ニヤッと笑ったが、目が笑っていない。

 この日を最後に、ブルネリア伯爵家は社交界から完全に消えた。

 マリアの長くて辛い過去は、浄化されて幸せな未来が待っている。

「マリア様!」
「ハンナ!」

 応接室を出て、パーティー会場へ戻ることなく馬車へ戻った。

 二人は抱き合い再会を喜ぶ。

「マリア様、おめでとうございます。うぅっ」

 ブルネリア家でマリアの成長を見守っていたハンナは、夢を見ているようだった。どんな状況でも健気に立ち向かっていた幼い女の子が、こんなに立派になって王妃となり母となる。

「ハンナ、これからもよろしくね!」
「はい!」

 笑顔で微笑むマリアの笑顔が、カミラと重なって見えた。ハンナは、カミラの分までマリアには幸せになってほしいと強く願う。

 閉ざされたウルフリア王国は、皇帝の思惑通りにはならない。

 マリアの存在が、エドワード、レオン、そしてお腹に宿った命と共に、新たなウルフリア王国として始まる――