【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。

 魅力状態が()けたら、フローラの(そば)にはどのくらい人が集まるのかしら、なんて意地の悪いことを考えて、ちょっと自己嫌悪。

「さて、これからのことですけれど」

 教室に残ったのは私とフィリベルトさま、アレクシス殿下とフローラ、マダムとローレン。チェルシーは先に帰ってもらった。

 私の帰宅後の準備をしてもらうの。今日はゆっくりとお風呂に入ってリラックスしたい。切実に!

「私と殿下の婚約はこのまま解消される予定なので、フローラさまにはマダムの王妃教育を受けてもらいます。マダム、お願いできますか?」
「本当に婚約を解消されるのですか?」
「ええ。私になにも確認せず、一方の言葉だけを信じる婚約者のことを、信頼も信用もできませんもの。マダムにはとてもお世話になりました。これからは、次期王妃のフローラさまを育ててくださいませ」

 にこりと微笑んでみせると、マダムは額に手を当て、はぁとため息を吐いた。

 ため息を吐きたい気持ち、すごくわかるわ。フローラはぐすぐすと泣いているし、アレクシス殿下は信じられないとばかりに目を見開いて私を見ている。そんなに私の言葉が意外だった?

 フローラは大粒の涙をハンカチで拭っている……いやぁ、泣いている姿を見て同情のひとつくらいするかと思ったけど、全然そんなことなかったわ。

 自業自得ってこういうことをいうのよね。

「殿下、しっかりと彼女を支えてあげてくださいませね?」
「……」

 まだ呆然としているぞ、この人。大丈夫かしら? そんなにショックだったのかな、さっきのフローラの発言。

 まぁ、つまり……自分が幸せになるためアレクシス殿下に近付いたってことだものね。

 おかしいな、殿下にも同情心がわかないぞ。私ってこんなに冷たい人間だったのか……それとも、リディアの気持ちが冷めただけか。百年の恋も冷めるってもんよね、こんな姿を見たら。

「フィリベルトさま、このあとお時間はありまして?」
貴女(あなた)のためならいくらでも」
「では、一緒に夕食を楽しみませんか?」
「喜んで、マイレディ」