【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。

 彼女がそれで幸せになれるのなら、この想いも諦めがつくだろうか……と考えていたが、この学園で見る彼女の姿はどこか(はかな)く感じた。

 愛されているのならば、満ち足りた顔をしているはずなのに、と。

 なぜ彼女があんなにも儚そうだったのかは、すぐにわかった。それと同時に、チャンスかもしれないと考えた。もしも彼女が婚約者から離れたのなら、そのときは――……。

 オレの愛に、溺れてもらおう。

 そう、心に決めて留学生活をしていると、ついにその日がやってきた。婚約破棄を宣言し、彼女を傷つけたアレクシス殿下たちをジロリと睨んでから、彼女を追いかけて求婚した。

 気丈に振る舞う彼女の瞳には涙がにじんでいた。どうしても、支えになりたかった。その気持ちが通じたのかはわからない。

 だが、確かに――あの瞳にオレの姿が映ったのが見えた。

 きっとこれから、オレたちはいろいろなことを紡いでいくのだろうと考え、彼女――リディアを愛することを心に誓う。

 幼い頃から探していた女性をやっと見つけたのだ。傷心した彼女の傍にいることを選び、実行した。求婚の言葉がこぼれたのは自分でも驚いたが、それだけ彼女のことを想っていた証でもある。

 ――どんな返事がきても、きっと諦められない。リディアの心を手に入れるためにはどうすればいいのだろうと頭を回転させながら、これからの生活に笑みを浮かべた。


―Fin―