それから、この日。



色んなことがありすぎて、眠れないと思っていたにも関わらず、もう体力的に限界を迎えた私はるうの腕の中で気付けば眠ってしまっていて。



そんな私をるうは大切そうに。


朝まで離すことなく抱き締めてくれていた。





翌日に、手に付いたままの輪っかの鍵を何故かアキトが持ってきてくれて。


外してくれたので本当に助かった。



羽織も返したいと思ったけど、私の血が付着し洗っても中々落ちない事を伝えると。




『んなこと気にすんな。』




と、相変わらず兄貴肌な事を言ってくれた。





そうして日が経つにつれ、私は戦のことに頭を占領されて、恋愛について学ぶ暇もなく。



さらにトキに会うことが叶った日には、それはそれはもう作戦の話で一日中話してしまったり。



そんな様子を、アキトが呆れて見ていたり。




レンは戦のことより、ハルの薬の完成が間際だと言うことでしばらく自分の部屋に籠っていて会えなかったり。




るうはもう私を危険な目に合わせまいと、ずっと側にいてくれたり。







「…明日、か。」




気付けばもう出陣前日まで時は迫っていた。