私の作戦は果たして成功するのか。
まさに開戦前の重要所だ。
翌日、私はレンとるうと軍事本部へ赴く。
本部には、それは屈強そうな男たちが並んで座っており、さすがに私も少し身構える。
「お集まりいただきありがとうございます。」
一先ず挨拶と、説明をしなければならない。
「今回、奪われた領土を奪還するためレン王子を筆頭にディオンとの戦に討って出ることが決まりました。」
元は敵国の姫であり、将の私。
ここにはかつて私と剣を交えた人もいるだろう。
「率直に頼みます。あなた方に兵を率いて、共に戦って欲しいと考えています。」
私の言葉に、即座に反応を見せる人がいた。
「お言葉ですが、我らが王はあなたに心酔している。姫がわざわざ頼みに来ずとも王に進言すれば軍は成り得ますでしょう。」
「…ここで名乗りを上げていただけなかった場合は、そうせざるを得ませんが。」
確かにあの阿呆王は、私が頼めば軍の一つや二つは編成してくれるだろう。
けど、それでは私の勝ちは遠のく。
「共に血を流し戦ってくださる方を、私はこの目で見て、自分の言葉で頼みたいと思ってここへ参りました。」
これは、本心以外のなんでもない。
「私が求めているのは、王の力でも神の力でもなく人の力です。」
人の力なくして戦はできない。
私だって、戦神だなんだと言われるが所詮は一人の人間であり、一人の兵だ。
「どうか、力をお貸しください。」