一先ず、エリクと交わした約束のことを、二人に一通り説明した。
疑問そうな顔をしていたが、それはそうだろう。
結婚を辞めさせるだけならば、私にエリクとの結婚を進言させればいい。
それをしないエリクの思惑。
その答えを、私も持ち合わせていない。
「こうなったら、きっとレンに暗殺だの刺客だのは向けないだろうから。レンは安心して過ごして大丈夫だよ。」
「…わかった。」
「なんか巻き込んでごめんね。とりあえず、るうは私がなんとかするからレンは戻ってて大丈夫だよ。」
怒りに囚われているのか、責任を感じて落ち込んでいるのか。
るうは中々顔を上げようとはしない。
そんなるうを、レンも心配しているが故に静かに私の部屋を後にした。