(一)この世界ごと愛したい





そして食事会の準備が整ったと、ママとアルが部屋に迎えに来てくれたと同時に私は起こされる。



まーだ全然眠いですが。


ご馳走を作ると張り切っていたママを思い出し、眠たい身体をどうにか起こす。




「んー…。あ…れ。」



ハルとるうも帰って来てたのか。





「…る、るう…!」


「あー?」


「け…私の、剣がないの!もしかして東の国境に忘れて来たのかもしれない…!私ちゃんと持ってた!?」


「…さあ。」



さ、さあって…。


るうも覚えてないってことか。確かにシオン将軍いたりで、バタバタと帰ったんだから仕方ない…か。




「あー…。とりあえず軍部から一本拝借して行くかー。」



アキトの城行く前に、東の国境少し寄ってこう。運が良ければまだ置いてあるかもしれない。


そんなことを考えながら広間に向かうと、それはそれは豪華な食事が並んでいて。ママはどうやら本気を出したらしい。



みんなで楽しく会話しながら食事を進める。



昔の話や、セザールでの出来事、旅行の思い出。私も色々思い出しながら笑っていた。





「…んで、出発は明日か?」


「ご名答ー。」


「いつ帰ってくる?」


「んー。この火が消えた時か、それか私の気まぐれか。はっきりはしないかなー。」




私が灯した盃の炎は広間に置かれることになり、この食事会を彩っている。


そして、まだ行ってもないのに帰ってくる日を聞かれてもと…軽くデジャヴだ。





「まずどこに行くんだっけ?」


「アキトのお城。」


「…セザールの第一将に上がった奴がそんな名前だったな。」


「わー、アキト出世したねー。」




第一将ということは、セザールで最も強い将軍になったということ。


エリクが死んだ今、確かにその軍の規模的にも頷ける。



アレンデール第一将のハルも、これからアキトを注視せざるを得ないだろう。





「第一将になったんなら、私あんまり構ってもらえないかもなー。」


「その次はどこ行くんだ?」


「…ハル、そんなに私の一人旅気になる?」


「そりゃそうだろ。お前のことなら俺は何でも気になる。」




そういうもの…なのか…?





「セザールにいる間に、もう一箇所行っておきたい場所があって。そこに行くつもりなんだけど…。」


「レン王子のところ?」


「あー、そう言えば確かに。レンの安否も確認はしたいけど、私が行きたい場所は違うの。」


「どこだったの?」




絶対レンのところだと思っていたママは、少し残念そうにしている。






「…天候を、もう少し学ぼうかなーと思ってる。」


「天候?」


「うん。今の私なら、誰かの力になれるかもしれないなーなんて。」