けど、すぐにぶんぶんと頭を振って。
私は現実に還る。
「シロ、もうちょっとだけ一緒にいよう。」
私はシロに身体を預けて、少しだけこの場で休む。
そよ風が、シロの温度が、心地いい。
実は本ばかり読んでいて、ちゃんとした睡眠を取っていなかった私。
ほんの数秒で、夢の世界に誘われた。
「ハル、リンいたぞー。」
「…またこんなとこで寝やがって。こんなんで本当に外に出して大丈夫なのか。」
「大丈夫じゃねえな、絶対。」
いつの間にか街から帰って来たハルとるうが、私を探しに来てくれて。
城内に連れて帰ってくれて。
部屋にある山のような本に驚きつつも、一先ずベッドに寝かせてくれて。
「…読み終わったっぽいな。」
「ああ。」
「荷物も準備されてるし…って、これはたぶん王妃がまとめたんだな。」
「もう、いよいよか。」
私の旅立ちがもう目前なことを察した二人。
しかし、私同様二人の覚悟も決まっているので。特に悲しむわけでもなく、寂しそうにする様子はない。
「出発には間に合ってよかったなあ。」
「白々しいな。勝手に出て行かねえようにリンの剣盗んだくせに。」
「…お前も乗り気だったろ。同罪だ。」
「もう随分使ってた剣だからな。納得するか分かんねえぞ?」
私の剣の行方は分からないが、二人には何か思うところがあったらしく。
私に内緒の秘策があるようだった。

