とりあえず困ってハルを見てみる。
ハルは嬉しそうに笑っている。
「…何で笑ってるの。ハルも頼んでよ。」
「お前の問題だろ。」
「うわ、性格悪いー。るう何とかして。」
「俺もハルに同感。」
この二人、完全に遊んでるな。
そしてこの広間。私が出ようとしている入り口の他にもドアはたくさんあって。
その内の一つが開く。
「…私に任せて、リン。」
「ママ…。」
私の出国手続きを、名乗り出たママ。
「む、無理しないで!ママが嫌な思いするのはダメだよ!」
「みんなリンの出国には反対なのよ。どうしても、少しでも引き止めたくて試行錯誤してるの。」
「…ママは、反対じゃない?」
「リンと離れるのは寂しいし心配だけど、娘はいつかお嫁に行くものだと割り切ってたから。みんなよりは少し大丈夫かもね?」
女は強いというのはこういうことかな。
ママは綺麗に笑っている。
「お嫁に行く訳じゃない分、心配が大半なんだけど。それでも今までこの城の中にいたあなたが、外に出られるのが嬉しいとも思ってる。」
「…ママはずっと私が外に出られるようにパパに頼んでくれてたもんね。」
「綺麗な物を見て、美しい物を慈しんで、そうして女は磨かれていくの。」
「み、磨かれて…?いくの…?」
つまり、外に出ればいい女になれるってことか。
ママの言葉に、この場にいる男性陣全員がこれ以上磨かれるのはまずいと焦った。
「行きたいところに行って、見たいものを見て、会いたい人に会って、そうしたら自然と笑顔になるでしょ?女の子は笑顔が一番綺麗なの。だから、リンはこれから益々綺麗になるわね。」
「なるほど…。」
すごく分かりやすい!!!
今までだってもちろんそれなりに楽しい日々を過ごして来たけど、確かにこれからのことにも胸が弾まずにはいられない。
「私、頑張って綺麗になる!!!」
「「なるな!!!」」
ハルとるうが全力でそれを拒否。
それを見て、ママも家臣達も笑っていて。
幸せな尊い空気がこの場に流れていた。

