シャワーを浴び終えて、ふと鏡を見る。
「…傷だらけだー。」
身体中、あちこちと傷だらけ。
これじゃあ今後お嫁に行くのは難しそうだ。行く気もないんだけども。
「あ、もう結婚はしたんだった。」
アレンデールにいるとついつい忘れるな。
セザールにいた頃も度々忘れてたけど。
そんなことを考えながら、バスローブを羽織り部屋に戻ると相変わらずハルとるうが待っててくれていた。
「スッキリしたー。」
「また髪の毛…。」
「るうはお風呂上がり私の髪の毛ばっかり見てるよね。」
「……。」
私の言葉にるうが何故か固まる。
そしてハルがるうを睨む。
「邪やめろ。」
「…いや、逆の意味で落ち込んでる。確かに俺、免疫ありすぎてマジで見てなかった。」
「勝手に変な免疫つけんな。」
よく分かりませんが。
とりあえず少し遅めの晩ご飯にさっさと行きたいところだ。そして早くまた寝たい。
「早くご飯行こー?」
「今日はここで食う。」
「え、なんで?」
「…何でも。とりあえずここにいろ。」
ハルの思惑はすぐに分かった。
そうか。
それほどまでに、城を混乱させてしまったのか。
「私にはハルとるうがいるから、大丈夫だよ。」
私はハルの心配も聞かずに部屋から出る。
逃げたって仕方ない。ずっと部屋に引き篭もるわけにもいかないし。
広間へ歩みを進めると、今まで味わったことのない怪奇な現象を思い知る。軽蔑か怒りか悲しみか、様々な感情が込められた目が私に向く。
生まれてからこれまでずっと暮らし続けてきた、この城で。

