(一)この世界ごと愛したい




こうして子供のように泣く私を、ハルとるうが元気付けてくれて。


泣き止むまでハルはずっと私を抱き締めていてくれて。




二人がいてくれて本当によかったと。


心からそう思えた。





「いくつになってもお前は世話が焼ける。」


「…ずみまぜん。」



泣き止んだ私を、一旦離したハル。


泣き腫らした顔を見てハルとるうが笑うので。私は少しむかついて、顔を洗うことも兼ねてシャワーを浴びることにした。






「…可愛いなあ。」


「ああ。」


「…離したくねえなあ。」


「…そうだな。」




私がシャワーを浴びている間も、二人は部屋で待っていてくれる。





「ケジメつけたわりには未練しかねえようだが?」


「相手が相手だからな。」


「…俺からすれば羨ましいことだ。妹じゃなきゃとっくにモノにしてる。」


「……マジ?」




驚愕のハルのカミングアウトに目を見開くるう。






「…何だよ。」


「いや、え…マジで?」


「相手が相手なんじゃねえのか?」


「…それはそう、だけど。」




るうは珍しく狼狽える。


ハルはそんな狼狽えるるうに溜め息を吐く。





「それくらい、リンが大事だってことだ。」


「…マジで好きなの?」


「安心しろ。そんなんじゃねえ。」


「無駄にビビらせんなよ。」




ハルは遠くを見つめて、るうにも聞こえないほど小さな声で呟く。











「…好きなんて、通り越してんだよ。」