ハルはさらに拗ねて拗ねて、見兼ねたるうが私を起こす。
火龍の力をこれでもかってくらい使ったはずだけど、意外と起きることが出来た私。徐々に身体が力に慣れていってる証拠なんだろう。
「…るう…コーヒー…。」
「ああ。」
もう夜ですが。
寝覚めの一杯がほしいです。
「悪かったな、リン。」
「んー?」
「シオンが出てくるとは予想してなかった。かなり疲れたろ。」
「…あーあの鬼畜。次会ったら私黒焦げにしちゃうかも。」
るうはコーヒーを淹れながら兄妹で似たようなことを言うので、思わず顔を緩める。
「でもシオン将軍やっぱすごかった。あれだけバラバラな連合軍をちゃんと統率してたよ。大口叩いたのに時間かかってごめん。」
「…時間はいい。けどシオンを褒めるな。俺を褒めろ。」
「戦に関しては残念だけどシオン将軍が若干すごいと思うんだけど。」
「ああ!?」
別にハルが負けるとは思ってない。
でも、シオン将軍もかなり曲者だからな。二人の戦の勝敗気になるところではあるけど。
「リン、あんまいじめてやるな。ハルは既に傷心中だ。」
「るうありがとー。」
コーヒーをいただきつつ。
そんな傷心中らしいハルに目を向けてみる。
「…ハルがこんだけ参ってるってことは、私のお芝居は上手くいったんだね。」
「お前のシナリオ通りだ。城内までもな。」
「城内は規制さえしっかりしてくれたら、ハルの信用してる人には話してくれていいよ。じゃないとハルもるうも、我慢出来ないでしょう?」
「…お前一体どこまで気回すつもりだ。」
私はるうのコーヒーを飲み終え、空になったカップを見つめる。
とりあえず、第一目標はクリアです。
…もう一つの、目標。
「……。」
「…だからお前は馬鹿なんだよ。」
「…うー…。」
「ったく。」
ハルが私を力一杯抱きしめる。
もう既に涙は止まることを知らない。溢れて溢れて止まらない。
終わったら、るうのコーヒーを飲んで、ハルに慰めてもらおうと決めていた。
この時間までの辛抱だと思って頑張った。
…パルマの街。
思い出すだけで胸が痛くて、全然辛い。
私なんかより遥かに住人達はきっと怒ってるし悲しい思いをしてる。そんなことは分かってる。
「ごめっ…ん…。」
「大丈夫だ。この国の連中は立ち直り早えから。」
ただただ泣き続ける私を抱きしめて宥めるハルと、それを見守るるう。
「ルイの蔵開けて、すぐに高級な街並みに復興してやる。」
「俺はいつ蔵を持ったんだ。」
「近しいもんあんだろ。リンのためだ。全部出せ。」
「お前は取り立て屋か。」

