(一)この世界ごと愛したい




こうなることが分かっていたから、この作戦は私が辛いものではないと感じていた。


そうハルにも伝えていたが、やはり実際に体験すると想像とは違うようで。かなり参っている。



そこをどうにか耐えてほしい。




「リンだって、辛かったはずだ。傷付けたくないもん無理矢理傷付けて。起きたらまた泣くぞ。」


「…はぁ。じゃあもうこっちは泣き言言えねえな。」


「それでもしんどいのは自分じゃねえって、リンはそこまで読み切ってる。」


「可愛くねえな。」


「そこは同感だ。」




二人はそれは落ち込んで落ち込んで。


でも下ばかり向いていられないと、前を向く。





「ハル。」


「あ?」


「今後、お前の側を離れる時間が増えてもいいか?」


「…あーそう。」



るうの言葉に、まるで知っていたかのように驚くこともなく気に留めることもなく。興味もなさそうなハル。





「リンのとこに向かってる途中、石が徐々に熱を持った。たぶんあれがお前の言ってたリンの命に共鳴するって話だったんだろうな。」


「…そうなんじゃねえの。」


「だから、とりあえず少しでも熱を感じたら俺はリンのとこに走る。」


「…やっぱその石くれ。」



ハルは恨めしそうにるうを睨む。




「断る。お前がここを離れるとリンは余計不安になんだろうが。」


「…あー嫌だ。マジで起きてからいいことない。」



より項垂れるハルに、るうはやれやれと言わんばかりに肩を落とす。


そんなるうに、ハルは告げる。





「じゃあ、お前も腹括れよ。」


「は?」


「お前、従者やめてとりあえず将軍になれ。」


「分かった。」



あまりにも軽く承諾したるうに、ハルは少し首を傾げる。





「…近い将来そうなるだろうってリンに言われてたし。」


「はあ?こいつマジでどこまで先が見えてんだ?」


「なんなら俺の戦では、リンが軍師として策練ってくれるらしいから。俺たぶん絶対負けなし。」


「ルイばっか贔屓しやがって。もういい。重い戦は全部お前に振ればいいんだな。」




それはそれでるう自身もしんどいし、私の負担にもなると、るうは苦笑いを浮かべる。