(一)この世界ごと愛したい




別にるうが一歩引いてるなんて、感じたことないけど。


でも、確かに私は自分でるうに助けてほしいと言った。それはるうは絶対に応えてくれると信じたから。





「ありがと…。るう。」


「もう寝てろ。城までちゃんと連れてく。」


「夜ご飯…ハルが、待ってるから…。」


「ああ、着いたら起こす。」




既に限界まで戦い尽くした私は、そのままるうの腕の中で意識を手放した。






エゼルタのシオン将軍のことは、るうも流石に知っている。この世界で指折りの将軍として名が上がるほどの人だ。


ちなみに実はハルもそうです。




つまり、ハルと肩を並べることが出来るほどの将軍が、私に気を付けろと言うほど。


世界は既に動き出している。




「…リン。」



るうはそれを途端に不安に感じた。




今回は連合軍。その前に南との交戦。さらにその前に街を一つ消失させるのに力を使っていたとは言え。


強靭な力を手に入れたとしても、私にも限界があることを知っているから。



こんなことがもし続けば…と。



アレンデールはこんな攻撃を続けられれば、ハルがいくら復活したとは言え間違いなく滅び、私はまたどこかの国に囚われることになる。





「お前はこんなもんから、国を守ろうとしてんだな。」




それを改めて知ることになったるう。


こうなることを、力を露見した時から予測していた私とハル。





…もう、引き返せない。


パパが討死した時に、私にはこの現状の前兆が過ってしまったから。



一刻も早く、城を離れねばならないと。そしてハルと自分の退路を断つために、こうするしかないと。





こんな状況を作り出したのは、他の誰でもない。




私自身だ。