ガタン。ガタン。


馬車はまたゆっくりと進んでいく。




「まだかなー。」


「夕方まで着かねえって何回言わせんだ。」




そんなこと言ったってー。


楽しみなんだもんー。




「あ、ネックレス似合うねー。」


「なんかお前ぶら下げてるみたいで気分がいい。」


「私貶されてる?」


「…説明が難しいな。」




るうの言ってることはたぶん本当。


まだ試したことはないけど、その石は私に反応する石だから。たぶんより私を身近に感じられるという意味は合ってる。



…ぶら下げてるっていうのは言い方悪いけど。





「るうは赤も似合うねー。」


「お前ほどじゃねえけどな。」


「え、ちょっと嬉しいかも。」


「…逆にリンに似合わねえ色探す方が難しいな。」




えー急にそんなに褒められると照れる。




「るうが素直に褒めるの珍しいー。」


「は?」


「私に対してプラスなことあんまり言わないじゃん。」


「好きだって言ったけど?」




…うん。


それはそうだね。寧ろそれ以上ない言葉だね。ありがとうございます。





「みんな私の何がいいのか不思議だなー。」


「みんな?」


「言わなかったっけ?レンにも同じこと言われて…。そう言えば返事もせず帰ってきちゃったなー。」


「あの野郎いつの間に…。そう言えば気付いたら名前で呼んでたよな。」




ディオンとの戦の真っ最中の出来事だったので。


るうもバタバタで、気にしてられなかったのも無理はないでしょう。



私も何故今なんだと驚いたのを覚えています。






「…私戦以外大した取り柄もないし。寧ろ女としては壊滅的な気がする。私ならもっと可愛くて綺麗で、女性としての魅力がある人の方が絶対いいけどなー。」


「俺の意見を求めてんのか?」


「…求めてない。るうは次元が違うでしょ。私がなーんにも出来ないの嫌ってほど知ってるんだし。」




知った上で…というんだから。


あれだ、変人だ。