翌朝。
私に寝顔を見たくないと言われたハルは、忠実にそれを守るために私より先に起きて。
そんなハルよりも先にるうは起きて、食事の支度やそれぞれの旅の準備を済ませる。
「…いつまでそうしてるつもりだ。」
「いつまでも。」
未だ眠り続ける私を、ぎゅっと抱き締めて離さないハルに堪え兼ねたるうが声を掛ける。
「馬鹿言ってねえでお前先に準備してろ。リン起こすから。」
「俺はまだリンが足りねー…。」
「んなもん俺も同じだ。」
「…ザマー。」
結局、るうに叩き起こされたハル。
渋々私から離れ、出発の支度に取り掛かり始める。
「リン。」
「……。」
「もう起きろ、リン。」
「…う…。」
いつものるうの声が、頭に届く。
しかし私は重い瞼を中々持ち上げられないでいると、るうは私の側まで来てくれる。
「リン。」
「る…?」
「起きれるか?」
「…んー。」
未だに目は開けられない。だから私は落ち着く、安心できるその声の方へ、普段通り腕を伸ばす。
るうはそっと私を抱き寄せて。
条件反射のように私もその首に腕を回すと身体ゆっくり起こしてくれたるう。
「…俺は何を見せられてんだ。」
ハルが呆れたように呟く。
私はそこで、ようやく目をゆっくり開く。
「身体どうだ?」
「…ん。」
「飯食うか?」
「…いい。」
再び横になりたい衝動に駆られる。
でも、そんな思いはすぐに掻き消されてしまう。

