ただ座って適当に時間を潰しているかと思ったが、きちんと考えていたようだ。ドレスサロンの店員も、「それはいいですね!」と感嘆の声を上げている。シャルロッテが選んでいるときよりも反応がいい。
なんだか複雑な気分だ。
「私が選ぶより、全部カタル様にお願いしたほうがいい気がしてきました」
シャルロッテは逃げるように、展示品を眺める。一着どころか二着、三着と決まっていく中、シャルロッテはスカーフを一枚購入した。
結局、シャルロッテがどうにか二着を選び、カタルが三着のドレスを追加して買い物を終えた。
シャルロッテは馬車の中で息を吐き出す。
「一生分の買い物をした気分です」
結局、今日使った金額はわからなかった。しかし、シャルロッテがベルテ家で買っていたドレスの代金を遥かに凌ぐことはわかっている。
こういう店は毎月決まった月に請求が来るのだと聞いて、シャルロッテは目を丸めた。
「今日は買い物に付き合っていただき、ありがとうございます」
「これで、『変人令嬢』の噂は払拭できそうか?」
「それは無理ですよ。でも、『変人令嬢』でも貰い手が本当にあったのだとみんな信じてくれたかと思います」
シャルロッテは満面の笑みをカタルに向けた。
動物好きの『変人令嬢』というあだ名を嫌だと思ったこともある。動物が好きなことがなぜいけないのか、シャルロッテにはわからなかった。
人間の生活には動物が密接に関わっている。馬車を引くのは馬だ。その馬の世話をする人だっている。
毎日のように飲む牛乳は牛の乳だ。動物の肉も食べる。熊の毛皮を絨毯にする人だっているのだ。
それなのに、どうして動物を可愛がってはいけないのか。
(もしかしたら、昔の皇族は完璧主義だったのかも)
人間を守るために、獣人はおそろしいということを忘れさせないために、身近な動物を嫌悪させるように仕向けたのかもしれない。
なんだか複雑な気分だ。
「私が選ぶより、全部カタル様にお願いしたほうがいい気がしてきました」
シャルロッテは逃げるように、展示品を眺める。一着どころか二着、三着と決まっていく中、シャルロッテはスカーフを一枚購入した。
結局、シャルロッテがどうにか二着を選び、カタルが三着のドレスを追加して買い物を終えた。
シャルロッテは馬車の中で息を吐き出す。
「一生分の買い物をした気分です」
結局、今日使った金額はわからなかった。しかし、シャルロッテがベルテ家で買っていたドレスの代金を遥かに凌ぐことはわかっている。
こういう店は毎月決まった月に請求が来るのだと聞いて、シャルロッテは目を丸めた。
「今日は買い物に付き合っていただき、ありがとうございます」
「これで、『変人令嬢』の噂は払拭できそうか?」
「それは無理ですよ。でも、『変人令嬢』でも貰い手が本当にあったのだとみんな信じてくれたかと思います」
シャルロッテは満面の笑みをカタルに向けた。
動物好きの『変人令嬢』というあだ名を嫌だと思ったこともある。動物が好きなことがなぜいけないのか、シャルロッテにはわからなかった。
人間の生活には動物が密接に関わっている。馬車を引くのは馬だ。その馬の世話をする人だっている。
毎日のように飲む牛乳は牛の乳だ。動物の肉も食べる。熊の毛皮を絨毯にする人だっているのだ。
それなのに、どうして動物を可愛がってはいけないのか。
(もしかしたら、昔の皇族は完璧主義だったのかも)
人間を守るために、獣人はおそろしいということを忘れさせないために、身近な動物を嫌悪させるように仕向けたのかもしれない。



