【書籍化】狼皇子の継母になった私の幸せもふもふ家族計画

 叫んだのはシャルロッテだ。アッシュは三人で一緒に寝たいのだろう。しかし、そのおねだりは想定外だった。

(アッシュと二人で眠るのはいいけど、カタル様も一緒なのはさすがにまずいのでは!? 婚約者だからいいの? でも一応まだ婚前なわけで……)

 シャルロッテの頭の中ではノエルが目をつり上げて「破廉恥だ!」と怒っている顔がよぎる。

「アッシュ、パパはまだアッシュほどママに気に入られてないから、三人は難しいらしい」
「ちょっと! カタル様っ! 変なことを言わないでください!」

 今まで冗談など言っているところを聞いたことがない。突然どうしたというのだ。
 アッシュがシャルロッテとカタルを交互に見て、にこりと笑った。

「パパ!」

 アッシュは叫ぶとカタルの耳元で囁くように何かを言っていた。獣人ならば聞こえるだろうか。しかし、残念ながらシャルロッテは人間だ。何を言っているのかわからない。
 カタルは「なるほど」と真剣な顔で頷いている。

「では、それは明日にしよう」
「うんっ!」

 嬉しそうにアッシュは尻尾を振った。

「二人とも何の話をしていたんですか?」
「ひみつ」
「明日になればわかる」

 二人は顔を見合わせて笑った。どこからどう見ても親子だった。

 ◇◆◇

 そのあと、カタルはすぐに寝室を別邸に移動した。と、言っても、仕事のこともあるから寝起きは別邸で、仕事は本邸でとなるだろう。使用人にも入れない家族三人の場所だ。
 シャルロッテは本邸の荷物を運びながらカタルに質問をした。

「カタル様、聞きたいことがあったんですけど」