【書籍化】狼皇子の継母になった私の幸せもふもふ家族計画

 シャルロッテは部屋を見回した。

「この様子だと、この女性が何らかの理由で別邸に侵入し、アッシュに危害を加えたため、カタルが怒った。という感じですかね」
「おおむね正解です。この人はクロエ様の侍女だそうで、アッシュを連れて行こうとしたようです」
「なるほど……」
「すみません……。私の不注意でブレスレットを盗まれてしまってこんなことに……」

 シャルロッテは頭を深々と下げた。注意していれば、防げる事件だった。気をつけていたはずだったのに、結局アッシュを危険な目にあわせてしまったのだ。

「お気になさらず。シャルロッテ嬢が完璧だったとしても、彼女はどうにかしてアッシュを奪いに来ていたはずでしょう。今のうちに膿を出せたのはよかったと思います」

 オリバーがにこりと笑った。気を使われているのがわかる。
 追い出されてもおかしくないミスだったというのに。

「本当にすみません」
「これ以上気に病まないでください。そもそも私が作った鍵が単純だったのが問題でした」

 オリバーは今後の鍵について語り始める。

「一つだからこんなことになってしまいましたから。これからは二つ合わせて……。いや、一つ仕掛けを増やすべきか……。ああ、失礼。魔法のことになるとつい我を忘れてしまいます」

 オリバーは恥ずかしそうに眼鏡をくいっとあげた。
 そして、狼の姿のままのカタルに視線を向ける。

「カタルは早く元に戻ってこい」