状況だけ考えると、楽園とは程遠い。しかし、目の前だけ見るとそこは天国のような場所だった。アッシュと一緒にじゃれつきたい。
しかし、相手は大きな犬ではなく、カタルだ。シャルロッテは伸ばしそうになった手を押し戻し、ぐっと拳を握った。
アッシュとカタルが不思議そうにシャルロッテを見つめる。目が合って、シャルロッテはつい口を滑らせた。
「カタル様、少しだけ触ってもいいですか?」
(私ったら、何言ってるの!? あのカタル様に!)
シャルロッテは慌てて、一歩後ずさった。
「あの! もふもふしたいなんてそんな邪なことは……! 思ってはいるんですけど……!」
素直な口がぺらぺらと本音をもらしていく。
カタルはしばしシャルロッテを見つめたあと、背を向けた。
「も、もしかして……。触ってもいいってことですか?」
「キャンッ」
カタルの代わりにアッシュが元気よく答える。シャルロッテは舞い上がりそうになった気持ちを抑えてカタルの背中に手を伸ばした。
(少しだけ。ほんの少しだけ……)
しかし、指先がカタルの背中に触れる寸前で扉が勢いよく開かれたのだ。
「カタル、アッシュ、大丈夫ですかっ!?」
「オリバーさんっ!?」
シャルロッテは慌てて手を引っ込め、立ち上がる。オリバーは目を瞬かせた。
頬が熱い。もう少しで恥ずかしい場面を見られるところだったのだ。
(カタル様もオリバー様が来ているなら教えてくれればよかったのに!)
カタルは耳がいい。きっと、オリバーが来ていることに気づいていただろう。
「ええと……。状況を説明していただけると助かるのですが……」
「見てのとおりではあるのですが……」
何から説明をしたらいいだろうか。
しかし、相手は大きな犬ではなく、カタルだ。シャルロッテは伸ばしそうになった手を押し戻し、ぐっと拳を握った。
アッシュとカタルが不思議そうにシャルロッテを見つめる。目が合って、シャルロッテはつい口を滑らせた。
「カタル様、少しだけ触ってもいいですか?」
(私ったら、何言ってるの!? あのカタル様に!)
シャルロッテは慌てて、一歩後ずさった。
「あの! もふもふしたいなんてそんな邪なことは……! 思ってはいるんですけど……!」
素直な口がぺらぺらと本音をもらしていく。
カタルはしばしシャルロッテを見つめたあと、背を向けた。
「も、もしかして……。触ってもいいってことですか?」
「キャンッ」
カタルの代わりにアッシュが元気よく答える。シャルロッテは舞い上がりそうになった気持ちを抑えてカタルの背中に手を伸ばした。
(少しだけ。ほんの少しだけ……)
しかし、指先がカタルの背中に触れる寸前で扉が勢いよく開かれたのだ。
「カタル、アッシュ、大丈夫ですかっ!?」
「オリバーさんっ!?」
シャルロッテは慌てて手を引っ込め、立ち上がる。オリバーは目を瞬かせた。
頬が熱い。もう少しで恥ずかしい場面を見られるところだったのだ。
(カタル様もオリバー様が来ているなら教えてくれればよかったのに!)
カタルは耳がいい。きっと、オリバーが来ていることに気づいていただろう。
「ええと……。状況を説明していただけると助かるのですが……」
「見てのとおりではあるのですが……」
何から説明をしたらいいだろうか。



