心臓が騒がしい。
そんなことがあってはならないのに。
「ないっ! どうしよう……」
「どうされたのですか?」
心配そうにメイドが聞く。冷静にならなければならないのに、震えが止まらない。どうしていいのかわからなくて、シャルロッテ右往左往した。
(なんで? なんでないの!? さっきまであったのに……)
「金のブレスレットを探して! 細くて……装飾がなくて……。お願い!」
シャルロッテは部屋中を探した。紅茶で濡れたドレを見てはたと気づく。
「もしかして……マリンが?」
考えてみれば、彼女はよくアッシュのことをシャルロッテに尋ねていた。何かにつけて別邸に行きたがっていたではないか。
背筋が凍った。慌てて、シャルロッテは部屋を出る。
扉をくぐったところで、人とぶつかってしまった。
「ごめんなさっ……カタル様!?」
「騒がしいが、どうした?」
カタルを見た瞬間、目から涙があふれた。
「ブレスレットが……! 多分、マリンが……」
カタルはシャルロッテの腕を見て、眉根を寄せた。
「落ち着け」
「で、でも……!」
「安心しろ。今は君一人じゃない。私がいる」
カタルはそれだけ言うとシャルロッテの手を握った。震えた手が止まる。耳の奥で響いていた心音が収まっていった。
「ごめんなさい、気が動転していたみたいで……」
「ああ、もう大丈夫か?」
「はい! 別邸に行きましょう!」
「よかった。あのままだったら担ぐしかないと思っていたところだ」
「それだけはちょっと……」
カタルならばやりかねない。シャルロッテは安堵した。
カタルはメイドに医師とオリバーを呼ぶように指示を出すと。シャルロッテの腕を引いた。
「行くぞ」
「はい!」
そんなことがあってはならないのに。
「ないっ! どうしよう……」
「どうされたのですか?」
心配そうにメイドが聞く。冷静にならなければならないのに、震えが止まらない。どうしていいのかわからなくて、シャルロッテ右往左往した。
(なんで? なんでないの!? さっきまであったのに……)
「金のブレスレットを探して! 細くて……装飾がなくて……。お願い!」
シャルロッテは部屋中を探した。紅茶で濡れたドレを見てはたと気づく。
「もしかして……マリンが?」
考えてみれば、彼女はよくアッシュのことをシャルロッテに尋ねていた。何かにつけて別邸に行きたがっていたではないか。
背筋が凍った。慌てて、シャルロッテは部屋を出る。
扉をくぐったところで、人とぶつかってしまった。
「ごめんなさっ……カタル様!?」
「騒がしいが、どうした?」
カタルを見た瞬間、目から涙があふれた。
「ブレスレットが……! 多分、マリンが……」
カタルはシャルロッテの腕を見て、眉根を寄せた。
「落ち着け」
「で、でも……!」
「安心しろ。今は君一人じゃない。私がいる」
カタルはそれだけ言うとシャルロッテの手を握った。震えた手が止まる。耳の奥で響いていた心音が収まっていった。
「ごめんなさい、気が動転していたみたいで……」
「ああ、もう大丈夫か?」
「はい! 別邸に行きましょう!」
「よかった。あのままだったら担ぐしかないと思っていたところだ」
「それだけはちょっと……」
カタルならばやりかねない。シャルロッテは安堵した。
カタルはメイドに医師とオリバーを呼ぶように指示を出すと。シャルロッテの腕を引いた。
「行くぞ」
「はい!」



