he said , she said[完結編]

かまわなかった。
わたしは子どもが欲しいわけじゃなくて、彼と一緒にいたいんだもの。彼はわたしを救ってくれた。
残りの時間が少ないなら、なおのこと彼と話をしていられる時間が1分でも惜しい。

親もいい顔しなかったわよ。いくら嫁き遅れたからって、やぶれかぶれでそんな年上の人と結婚してどうすんのって。
そんなんじゃない、って一悶着ありつつも結婚して、四年くらい。
まあ仲良くやってるわ。スマホをいじるより夫と会話している時間が一番楽しい。

仕事人としても一皮剥けたのかしら。人事部に異動の話をもらって。
人事部って、あんまりいい人だと務まらないのね。適度にドライじゃないと。
会社は慈善事業じゃないから、ときに病気で働けなくなってしまった社員に解雇を通告しなければいけないときもある。
情に流されず、適性を見て将棋の駒のように配属を決める。ちょっと意地が悪いくらいがちょうどいい。わたしにぴったりじゃないかしら。

おかげさまで主任にまで昇格できた。
ちなみに夫は今は機械リース業の関連会社に出向してるわ。
夫婦で関連部署にいるのはあんまりよろしくないということで。彼は能力が高いから、どこに行っても重宝されるのよ。