甘く激しく、暴いて

グッと手首に力を入れて涼川 那生の振り払おうとするも。


くっ……、力が強すぎて振り払えない……!全然力が入ってなさそうなのに。

見た感じ、細身でしなやかだけど鍛えているよう。

どうしよう……。早くしないと授業が終わっちゃう。

再度、腕に力を入れて振り払おうとしても全く状況は変わらない。

「結構力あるね〜。でも、そんなんじゃ振り払えないよ?」

もう充分近いのに、更に近づいてくる。

それに、なんでそんなにニコニコしてるの!?

その姿に、ふつふつと怒りが込み上げる。


「あれ?急に黙ってどうしたの?」


全身の力を抜いて、黙り込む私を楽しそうに見ているこの男。

お父様……ごんめなさい。今だけ……今だけ許してください。

ターゲットとは、また仲を深めるので……許して。


「……?本当にどうし─────!?」


グイッと掴まれている腕を上に上げて、相手の意識を少しでもそっちに行ったら反対の手で……!


─────────トンッ。


小さく音がした瞬間、私の手首を掴んでいた腕の力が緩まって、目の前の身体が倒れてくる。

それを受け止めて、そっと校舎の壁を背に座らせた。


ふぅ〜……危なかった。どうなるかと思ったよ。


私は彼の首の側面を叩いて気絶させたけど、本当は危険だからやっちゃいけない。

私はすごくすごく厳しい訓練を受けていたから、できたんだ。

ごめんなさい……涼川 那生さん。