「なんだ、長谷川さんのところの娘もいるのか。きみの評判は聞いているよ。村の風習についてどう捉えたってかまわないけど、妨害するのはやめてくれないか」
「村の人間がこんなふざけた風習を今後いっさい行わないと約束してくださるのなら黙ります」
「話が通じないなぁ。風習を軽んじるということは、神を軽んじるということになる。分かって言っているのか?」
「神より命です。ただちに病院へ運んでください」
「……もういい、お前ら、やれ」
まわりの男たちが私を取り囲む。
痛みに耐える覚悟をしたそのとき
「菫、いい加減にしなさい」
声とともに道が裂けたように拓ける。
中心にはお父さんが立っていた。



