母が命を懸けて産み落とした守助はというと、隣村のお偉いさんの屋敷で奉公させられていたという。
頭のおかしい女の子ども
魔物憑きの血筋
そんな言葉を日常的に吐きかけられ、毎日毎日人間とは思えない扱いをされていたそうだ。
父からも、祖父母からも、守助を身篭ったからおかしくなったのだと、すべての責任を負わされた私の弟。
なんの偶然か、母が死んだタイミングでお屋敷の当主も死んだので、奉公先でも忌み嫌われていた弟は本家へと返還された。
もちろん誰も喜ばなかった。
私以外は。
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