花隠し



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「すみません!通してください!」



人垣を掻き分けていく。



抜けた先に待っていた光景は想像を絶するものだった。



実里のお母さんが、びしょ濡れのまま白目を剥いた状態で陸に転がされている。



上半身は縄で縛られ、酸素を求める魚のようにはくはくと口を動かしていた。



「いやぁ!お母さん!!」



実里が駆け出す。



周囲にいた村人を追い払いながら母親のそばに膝をついた。