「狂った人間に、選べる道など無い」 守助の放った悲しい現実。 それを誰よりも知っているのは、守助自身だ。 脳裏に浮かぶ母の顔。 狂った彼女は山から戻り、川で死んだ。 青くて冷たい、お母さんの…肌── 「ぅ……」 軽いめまいがして 赤い雫が上履きを濡らした。 咄嗟に鼻を手で覆う。 実里に叩かれた際に出た鼻血がいまさらボタボタと垂れ落ちてきた。