花隠し



屋上を出て階段を駆け下りる。



どの教室でも授業が行われており、廊下に響くのはふたつの足音だけ。



下駄箱を通り過ぎたけど、ローファーに履き替えるなんて頭から抜けてしまっていた。



上履きのまま全力で走る。



「菫、ごめん…ごめんっ」



実里はまた泣いていた。



きっと頭の中がぐちゃぐちゃなのだろう。



そして校舎裏へ続く道を進んでいたとき、見覚えのある人物を発見した。



「菫姉さん」



まるで行く手を阻むように道の中央に佇んでいるのは、守助だった。