「…菫は強いよな。強くて、逆に消えちまわないか心配になる」
「な、なにそれ…」
「どこにもいくなよ。菫。いや、どこにも行かせないから」
琉平の声に力が入った。
見つめられ、冗談ではなく本当にどこかへ閉じ込められてしまいそうな気すらしてくる。
「あのさ、菫。菫が思ってるよりずっと、何百倍も、俺は菫のこと大事に思ってるよ」
雲のない空のようなカラリとした性格の琉平の中に、重たく粘質の高いなにかが渦巻いている。
決定的なことは一つもないのに、肌で感じたものが私にそう教えた。
どうしよう。
琉平のまっすぐな瞳に呑まれてしまいそう。



