夕焼けを見ながら守助と学校からの帰路を歩いていれば、お山の入口に集る村の人達が目に入った。



人垣の中心には──白装束を纏った女の人。



おもわず足が止まる。



それと同時に、私と守助の存在に気づいた村民の一人がこちらに声をかけてきた。



「菫ー!こっちこいよ!」



同じクラスの琉平(りゅうへい)だ。



守助とは正反対の健康的な小麦色の肌の腕を左右に振っている。



…どうしよう。嫌な予感がする。



生じた迷いに動けずいれば、焦れた琉平が駆け寄ってきて手首を掴んできた。



その目には、守助など一切映っていない。