「姉さん」 背後から声がした。 振り返ると守助が立っていて、その顔はどこか強ばっている。 「守助、もう遅いよ。先に寝室へ行って──」 「また父上と喧嘩したんですか。血、足跡みたいに落ちてましたよ」 そう言われ、鼻血の存在を忘れていたことに気づく。 床には血の轍がポツポツとできていた。 守助が呆れたような息をついて私の手を取る。