止まらない鼻血を乱暴に手の甲で拭いていれば、それまで一つも表情を変えなかった守助がほんの少し眉を下げて私の側へやってきた。 ほつれた袖口で、私の鼻血を拭ってくれた。 ありがとう 言葉よりも先に涙が出ていた。 赤くひび割れた指先を撫で、手を握って 弟のことは絶対に私が愛してみせようと 心に誓ったのだ。