僕は一人、心の中で葛藤した。
『アメノミコト』に与えられた猶予は、三ヶ月。
残り時間は、ごく僅か。
この僅かな時間の中で、僕はシルナ・エインリーを殺さなければならない。
…僕が。この手で。
あんなに優しくしてくれた人に。
恩を、仇で返すのだ。
今まで、僕は人を殺すことに躊躇いを覚えたことはなかった。
それなのに僕は今、人生で初めて、怖いと思っている。
任務に失敗して、『アメノミコト』に粛清されることは怖くない。
そんな心配は、全くしていない。
組織が僕を必要としないと言うなら、殺されれば良いのだ。
粛清なんて怖くない。
怖いのは、あれほど優しくしてくれた学院長を、この手にかけなければならないこと。
この手で、あの人を殺さなければならないことだ。
僕の世界に色彩を教えてくれた人が、いなくなってしまったら。
僕はまた、あの汚ない色の世界に逆戻りすることになる。
それが怖かった。
何をやってるんだ、僕は。
今まで散々人を殺しておいて、今更たった一人の人間を殺すことに、何の躊躇いを抱く必要がある。
殺さなければならない。殺さなければならないと、頭の中で何度ループしても。
僕は、実行に移せないでいた。
そんな時だった。
僕をルーデュニアに送り込んだ、例の世話役の男が僕を訪ねてきたのは。
『アメノミコト』に与えられた猶予は、三ヶ月。
残り時間は、ごく僅か。
この僅かな時間の中で、僕はシルナ・エインリーを殺さなければならない。
…僕が。この手で。
あんなに優しくしてくれた人に。
恩を、仇で返すのだ。
今まで、僕は人を殺すことに躊躇いを覚えたことはなかった。
それなのに僕は今、人生で初めて、怖いと思っている。
任務に失敗して、『アメノミコト』に粛清されることは怖くない。
そんな心配は、全くしていない。
組織が僕を必要としないと言うなら、殺されれば良いのだ。
粛清なんて怖くない。
怖いのは、あれほど優しくしてくれた学院長を、この手にかけなければならないこと。
この手で、あの人を殺さなければならないことだ。
僕の世界に色彩を教えてくれた人が、いなくなってしまったら。
僕はまた、あの汚ない色の世界に逆戻りすることになる。
それが怖かった。
何をやってるんだ、僕は。
今まで散々人を殺しておいて、今更たった一人の人間を殺すことに、何の躊躇いを抱く必要がある。
殺さなければならない。殺さなければならないと、頭の中で何度ループしても。
僕は、実行に移せないでいた。
そんな時だった。
僕をルーデュニアに送り込んだ、例の世話役の男が僕を訪ねてきたのは。


