元々馬が合う2人はこういう時、息ぴったりだ。
「糸川も深山くんもこうして見ると可愛いなって。子ども見守ってるみたいで楽しくて」
「なんか隠してるっぽいの面白いからつい」
にっこりと清々しいほど自白する彼女と彼に思わずため息を吐き出す。
「別に隠してないよ」
隠しては、ない。
ただ言っていないだけで。
「ああうん、深山も言うタイプではないかもね」
「糸川もそこまでしないし、うん、隠してはないのかぁ」
ふむふむ、と似たようなポーズで考え込む2人を見て本当に仲が良いなと肩を竦めた。
芽吹とのカンケイを別に広めたいわけじゃない。かと言って知られたら嫌ってこともない。私だと釣り合いが取れないことはわかってるから今更何を言われても構わない。
目の前の2人はそんな私よりしっかりと考えてくれているみたいだから、そんなこと言わないけれど。
「色々気にしてくれてありがとうなんだけど、今から私たちテスト受けるんだよ」
大丈夫? と言う意味合いでそう言えば、2人は途端に固まってゆっくりと顔を見合わせた。
知らなかったみたい。今日登校日になっていた理由を。
「え! 無理、何もやってない…終わった」
「知らなかったよ〜やばい、まぁいっか!」
愕然とした表情の砂原と、開き直ったように明るく笑ったサキ。対称的な2人を見ていると担任が教室に入ってきて、解散となった。砂原は最後まで面倒臭かったけれど。
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夏休み前半の課題からつくられたテスト。冷房が程よくきいた教室のなか、シャーペンの芯が紙を介して机上を走る音が囁かに聞こえる。
一通り解き終えてすることがなくなった私は、窓の外に視線を向けた。あおい空と、綿密なしろい雲。グラウンドの砂が日光を反射する勢いでいるから、目がチカチカする。
夏が嫌と言うわけじゃないのに、何となく馴染めない。
でも夏にしか楽しめないことも、楽しめない食べものも、沢山あることは理解してる。夏じゃなくても、私はいつも冬に掴まれてるから。
他人本意な自己犠牲なんかじゃなくてただ単に、誰かのためだと断定しないと頑張れない部分があるだけで。その誰かが今の私にとって芽吹。芽吹のためなら、なんて烏滸がましく慎ましく。
そう思うのに本当は、──。
「はい終了〜。書くのやめなさい」
担任のハキハキとした声に思考が遮られてハッとした。思考の波を漂っている間に時間は過ぎていてテスト時間は終わっていた。
前の席の人に自分の答案を回して、何となくざわつき始めた教室内を横目で見渡してみる。すぐに帰る用意をし始めたサキが目に留まり、ホッと息をついた。退屈な学校、これで終わりのようだった。
急いで日焼け止めを塗っていると、担任が残りの夏休みについて色々と注意事項を並べ始めて。正直面倒臭いからシャットダウン。みんな浮き足立ってるから聞いてる人なんていない。
「とにかく! 事故や怪我には気をつけるように!」
その言葉を最後に夏休みの登校日が終わった



