カフェラテプリンのチンタラ日記

 冬になるといつも思い出すことが有る。 それはまだ福岡に居た頃のこと。
福岡県が出している広報誌 『グラフ福岡』を読んだ時のことだった。
 そこにはbbsというボランティアグループの会員が受けている取材記事が掲載されていた。

 bbs big bros and sister's movementは非行少年の友達活動をしている団体。
その趣旨に共感したぼくは県庁の広報課に手紙を書いた。
 その手紙は保護観察所に伝えられ、福岡県bbs連盟の会長に伝えられた。
会長は40代の稲垣紘一さん。 早速どの地区で活動してもらうかを検討したらしい。
 それからぼくが住んでいる地区の会長さんが会いに来た。
でもその地区は活動する会員が減ってしまって死にかけていたんだ。

 年を経て真冬、福岡県bbs連盟の会員研修が行われた。
ぼくの地区から参加したのはぼくだけだった。 寂しい。
 そこで討論会らしきプログラムも有ったんだよね。
議論された話題の中でぼくが気になったのは、、、。

 更生保護施設に入所している女の子が居ます。
その子が夜に友達活動で関わっている女子会員の所にいきなり飛び込んできました。
どう対応したらいいんでしょうか?

 このテーマは意外と難しい問題を孕んでいる。
一つはbbsがまだまだ一般世間に認知されていないということ。
二つには相手が触法少年であるということ。

 この二つの問題をクリアしなければ解決しない問題だったのである。
意見は様々に出された。
 その夜は部屋に泊めればいい。
 施設に電話して対応してもらえばいい。
 会員が出向いて施設と交渉すべき。

 でも考えてみればこの対応はまずいことが分かる。
 施設を飛び出して会員の部屋に飛び込んでくるということは確実に施設内での虐めが原因。
女子の虐めは陰湿でなかなか気付かれないものだ。
 それを正面から質すような行動は会にとっても会員にとってもマイナスである。
ではどうするか? ぼくが考えた解決策はこうだ。
 まず担当の保護司に連絡を取って女の子を預ける。
その上で保護司から施設に連絡を取ってもらって対応する。
 bbsが社会的に広く認知されていれば部屋に泊めても問題は起きないが、認知されていない段階でそれをやると拉致と勘違いされる恐れが有る。
そうなれば友達活動そのものが影響を受けることになる。

 その話を聞いていた年輩の会員がぼくに寄ってきた。
「福岡市bbs会で活動しないか?」というのである。
 それでは、、、ということでぼくは福岡市bにも参加した。

 そこで何をやったのかというと広報誌『アバウト3号』の編集だった。
これは元々会長が一人で編集していたのだが活動が大きくなってきたことで手が回らなくなって委任されたのだった。
 そこでぼくは内容の一新を考えた。
県保護司会連盟 更生保護婦人会〈当時〉 更生保護施設管理者からも原稿を募ったのである。
 さらには会員の投稿も充実させることにした。
少年院 少女苑関係の行事に参加した人たちの原稿も集めた。
大変だとは思ったけれど楽しかったなあ。
 ところがその後で妹の事件が発覚する。 所謂オリエントコーポレーション事件。
ぼくに成り済ました人間が保証人になって中古車のローンを組んだんだ。
 督促状がぼく当てに送られてきた。 初回は払われた後だった。
でも2回目はそうもいかない。 事務員を直撃した。
 でも事務員は「払え払え。」の一点張り。 騙されておいてこれなんだから埒が明かない。
その後、何とか交渉に漕ぎつけてローン契約は解除された。 まったく人騒がせな連中だ。
 書類には以前に勤めていた老健の名前が書かれていた。 在勤確認をすれば嘘は明白だった。
「自宅でお話ししたので確認してません。」と平然と答えるのだから開いた口が塞がらない。
 そこまで管理能力が低過ぎるのか? 金融会社の盲点はここである。
 そんなこんなで社会的責任を取らなければいけない。 そこでぼくは福岡市bに退会届を出した。
それで地元に戻ったのはいいが、古参会員はただ名前を連ねているだけ。 動こうともせずにふんぞり返っている。
(これじゃあどうしようもないな。) そうは思ったが動かさないわけにもいかない。
 時は2001年。 新しい地区会会長に北野芳美を迎えて再起動だ。
この年は福岡で九州bbs大会が行われることになっていた。
山の上ホテルを会場にしたから予算が大変。 寄付金集めも緊急事態である。
県連が大会準備で右往左往している時、ぼくは地区会の立て直しを図っていた。
 何とか保護観察官とのパイプを作り、情報を集めていた。
その中で「7月にキャンプをやろうよ。」って話が出てきて動き始めた。
まずはキャンプ場探しである。 古い会員にお願いした。
ところが一か月経ってもいい返事が返ってこない。 頭に来たぼくは芳美と二人で動くことにした。
 すると十日ほどで日程は決まってしまった。 そろそろ脱皮の時なのかも?
そんなこんなで7月のキャンプは実行された。
 「出来ればここに少年を参加させたいんですけど、、、。」 「それはいいことだ。 手配するよ。」
主席監察官 高村和人は二つ返事で引き受けてくれた。 そして、、、。
 「地区会がやっと動き出したんだ。 監察官全員で応援するよ。」と言って買い出しまで手伝ってくれたのである。
それでも古参会員は動こうとはしなかった。 雛壇は要らないよね。
 さらに対立が深まるのはその後である。
 県連は2月の会員研修をぼくに委嘱した。 会員研修はbbsの中でも大きな行事である。
古参会員は当てにならない。 そこで芳美が場所を選定した。 問題は中身である。
とはいえ、ノバで働いていた芳美は自由には動けない。 他の会員も同様で動けない。
その状態の中、プログラム作りは暗礁に乗り上げていた。
そこで何とかして会員から意見を求めようとしていたら、、、。
 「今度、こういう行事をやるんだ。 何かアイデアが有ったら出してくれないかな?」 そう言っただけなのに「脅されたから怖い。」という声が出てきたんだ。
「ぼくらはボランティアなんだ。 強要される義務は無い!」 そう抗議してきた会員が居る。
それを受けた前会長も「ボランティアの意味を分かってるのか? 会員の事情を考えろ! ふざけるんじゃねえよ!」と喧嘩してきた。
(こいつらと話すのは無駄だな。) ぼくはそう思った。

 それからぼくは一人で計画を練り上げたんだ。 二日目は芳美に任せてね。
七転八倒する思いでようやく作り上げた計画はこう。

 1. bbs担当監察官の講話。
 県内の犯罪状況、触法少年の傾向性、地区ごとの犯罪傾向。
そしてbbsに依頼したケース活動(友達活動)の件数と実施経過。

 2. 県連会長の講話。
 これまでの友達活動の推移、地区ごとの実績、成功例と失敗例。

 3. 現在活動中の会員の体験発表。
 活動してみて感じたこと 思ったこと 悩んでいることを率直に話してもらう。

 聞いてみるとこれまでの研修では触れられなかったことばかりだった。 やって良かった。
監察官の講話なんて聴く機会は会員であっても滅多と無い。
それだけに貴重な時間だった。

 その後、ぼくは地区会開放 『タンポポ』を作るようになった。
『アバウト』の経験を活かしたかったんだ。
ポツリポツリと大学生が増えてきた。 嬉しかったなあ。